お受験界でも不動の人気を誇る慶應義塾幼稚舎は、今も昔も倍率が高いことで知られています。特に募集人数が少なめである女子にいたっては17倍もの倍率になっています。慶應義塾幼稚舎とはどのような学校で、また入学考査にはどのような出題がされるのでしょうか。
慶応の人気の秘密は?
慶応幼稚舎に入学すると、大学まで一貫で進学することができます。早稲田大学と並ぶ私立の雄慶應義塾は、中学、高校、大学でもそれぞれ入学できますが、偏差値が高く狭き門になっています。幼稚舎に入学できれば、子どもが苦労することなく慶応大学まで進学できる点で人気となっています。
また、慶応には「三田会」という学閥があり、ここでできた人脈は、将来進学や就職、出世にも何かと有利といわれています。幼稚舎は6年間クラスが変わらず持ち上がりとなりますので、幼稚舎入学試験を突破できる学友と一生にわたる人脈を築けるという意味でもメリットがあります。
ユニークな入学考査
慶應義塾幼稚舎の考査は非常にユニークです。
まず、ほかの学校と違い面接がありません。また、保護者の考査は、願書の記載のみに限られます。願書は志望理由のほか、福翁自伝という福沢諭吉の自伝を読んだ感想を書きます。単なる感想文に終わらせず、福沢諭吉の教育論と、お子さんへのご自身の教育ポリシーが重なっているところを具体的に書きましょう。
もうひとつの特徴として、ペーパーテストがありません。福沢諭吉の教えとしてまず獣身を養えという言葉があり、子どもには机で学習をさせる前に身体を鍛えることを教えるべきだ、というものがあります。その教えに則り、現在の子どもの学力をみるのではなく、子どもの行動から、個性やポテンシャルを判断しようとしているのです。
試験内容
試験は11月1日から3日ごろに行われ、行動観察・制作・模倣体操・サーキットとなり、約1時間50分となります。
制作は、ハサミや糊を与えられて、課題としてだされた工作物をつくります。過去の出題としては、宝箱づくりや糸巻き電話などがあったようです。お絵かきも出題されます。ほかの学校での絵画にもいえることですが、大きな絵柄で画用紙いっぱいに、なるべく写実的に描きましょう。
行動観察や模範行動は、集団で指示行動ができるか、運動神経は年齢に見合った発達をしているかが問われます。過去の出題では、2つのグループに分かれて、おうちをどちらのチームが早くつくれるかというものがありました。
運動考査はハイレベルで、マット運動やクマ歩きなど基本的な項目はもちろん、指示行動と組み合わせたものも出題されます。過去には「ボール渡し」といって、グループでのボールリレーも出題されているようです。
受験経験者の感想
慶応幼稚舎はお受験界でも難関校であり、保護者が出身者である方が有利ともいわれています。また、11月1日に考査が実施されるので、ほかの学校の考査とかぶり、どこを受験するべきか悩ましくはあります。しかし、ご縁がいただければ非常に素晴らしい学校ですので、志望度が高い人はぜひチャレンジしましょう。
まとめ
幼稚舎のお受験は、ペーパーや保護者面接がなく、事前に準備がしづらい分、これまで培ってきた子どもの底力が問われます。難関校かつ人気校ですので、幼児教室で学校別対策クラスをとることをオススメします。