近年、日本でも小学校のお受験が盛んになっているのをご存知でしょうか。実際今まさにお受験をしている、もしくはお受験をしようか悩んでいる、という方も少なくないでしょう。今回はそんな方のためにお受験を経験したママ、木村さん(仮名)の体験談を紹介します。お受験をして気づいた事柄などもお伝えしていくので、お受験に挑む方は必見です!
目次
子どもに小学校受験をさせた理由
なぜ子供に小学校受験をさせようと考えたのかというと、子どもに楽をさせてあげたいというのが一番の理由です。
確かに小学校受験は大変ですが、一貫校に入学してしまえば中学や高校での受験で慌しくなることもありません。10代の多感な時期にしっかり友達と交流したり、将来的な分野について調べる時間もつくれるので、小学校受験は子どものためによいのでは、と考えました。
また、私自身が中高の受験勉強でストレスを蓄積した生活を送ったことや、幼児期に塾などで身についた知識や意欲が、小学校以降は生かせずにいた経験があることも、理由として挙げられるかもしれません。
高いレベルではなくてもよいので、とにかく子どもに選択肢を与えてあげたい!という気持ちが受験という手段を選んだのかな、と思っています。
幸い、子どもも色んなことを学んだり考えたりすることが楽しいようで、受験を目指すという私の考えにも共感してもらえました。
小学校受験に向けた学習で大変だったこと
子供のやる気が不安定
小学校受験の学習で一番大変だったのは、やはり子供をやる気にさせることです。一度やる気になれば、その日は問題ないのですが、毎日やる気を出させるのには少々苦労したのを覚えています。
もちろん、厳しく言えば一定期間は言うことを聞いてくれますが、それを続けていては子どもとの関係が悪くなり、かといってやる気がないときは勉強をしない、としてしまうと勉強意識が薄れてしまうので、対応が難しかったです。
こうしたこともあり、家庭学習のみで受験を目指すのは不安に感じたので、受験クラスのある幼児塾に子どもを通わせることにしました。親以外の大人から指導を受けると、子ども本人も気が緩みにくいようで、勉強もスムーズに進みました。
学力査定だけではない受験システムへの対応に一苦労
小学校受験に関する知識がないときは、小学校受験も高校・大学受験のように学力メインで合否が決められるものだと思っていました。しかし、幼児塾の先生に受験について話を聞いてみたところ、学校によっては家庭状況や素行、親子面接時での親の受け答えも審査対象に入るとのこと。
私たち親子が受験を考えていたところは、そこまで厳しい審査を行う学校ではありませんでしたが、それでも受験前は身だしなみから話し方のマナーまで、子どもだけなく私自身も気をつけていました。
ちなみに私立と国立の合否基準には以下のような違いがあります。
私立校の受験
最終的な合否は、校内カラーやブランドに合うかで決まる
私立小学校では大手になるほど学校のカラーやブランドイメージを大切していることが多いです。そのため学力以外にも、受験者が生徒として相応しいのかどうか、チェックポイントを持つのが大きな特徴です。家庭でのしつけ方やマナー、話し方や態度なども合否に大きく関係していることが少なくありません。
私立を受験する場合は、学校がどのような校風や歴史を持ち教育に取り組んでいるのか、事前に調べて対策を立てておく必要があります。学校の説明会に参加して、直接教師や校長先生から話を聞いておくことも重要です。
家庭状況も受験時の審査対象になり得る
ブランドイメージを大切にしている学校の受験では、家庭の細かい部分に目を向けられる可能性もあります。家庭全体の素行は大丈夫か、経済的に困窮していないか、親自身のマナーはどうかなども試験や資料データを通してチェックされます。
国立校の受験
受験資格や合否が抽選で決まることも
国立校では公平性を保つために、試験通過者を抽選して、最終的な合格者を決めるケースが存在します。また、受験者数が多い場合は、試験前に抽選が行われ、その結果次第では受験自体に参加できない、ということもあるようです。
小学校受験に挑戦して感じたこと
私の子どもは私立校での受験に挑戦し、試験当日は以下の4つの試験を受け、無事に合格することができました。
- ペーパーテスト
- 個人考査(試験官と本人が対面しながら質問等をやり取りする)
- グループテスト(試験官と複数の受験者がやり取りをして各個人の対応を見る)
- 親子面接
それぞれの試験を受けて、気をつけた方がよいと感じた点をご紹介します。
対面試験の事前練習は必須
ペーパーテストはあくまでも学力だけの審査なので、やるべきことを済ませてあれば、そこまで心配することはありません。問題は、その後に行われる個人考査やグループテスト、面接といった試験官と対面して行う試験です。
こちらでは子どもに向けた質問(家庭の日常についてや、親に対して思っていることなど)や、子どもの反応を見る問いかけ(○○があったらどうする?など)を行うので、子ども自身が適切な内容や言葉づかいを話さなければいけません。
年長時期の子どもは質問に対して、よくも悪くも正直に答えてしまうため、試験対策として事前の練習は必須です。
グループテストの難易度は一緒に受ける子ども次第
複数の受験者と一緒に受けるグループテストにも注意しなければいけません。
おとなしい子どもで構成されたグループであれば淡々と進んでいきますが、落ち着きがない活発な子どもがいると、その子に集中力を乱されてしまい受け答えに影響が出てしまうことがあります。
実際に私の子供がこのような事態に遭遇して、試験官にうまく受け答えができないということがありました。対応としては、やはりそういったケースをに想定して、事前に子どもとの打ち合わせをしっかり行うとよいかと思います。
これからお受験を考えるママにアドバイス
受験、及び入学はあくまでも通過点
受験に合格して小学校に入ればそれで終わり、ではありません。むしろそこからお子さんの楽しい学校生活が始まります。受験疲れを引きずり、子どもが勉強に嫌悪感を持っていたり家庭内で不和を起こしていたりしたら、せっかくの新生活が台なしです。
受験で燃え尽きないように計画を立てていくのはもちろん、志望校も無理のないレベルに設定して、子どもに精神的な余裕を持たせてあげるようにしましょう。
たとえ落ちても子どもの心を第一にケアしてあげる
小学校受験に落ちたらショックを受けることは当然です。ここまで頑張ってきた苦労が…と思う方もいるでしょう。でも一番悲しいのは、受験に挑戦した子ども自身だということを忘れないでください。
たとえ不合格通知が来たとしても、優しく「頑張ったね」と挑戦した努力を褒めてあげましょう。
最後に
小学校お受験の体験談に交える形で、受験時に気をつけるべき事柄をご紹介しました。受験合格基準は私立、国立で異なるため、目標とする学校を事前によく調べておくことが大切です。
お受験に興味を持たれた方や、今まさにお受験活動をしているという方に、この記事が少しでも参考になればと思います。