「お受験は親の受験」といわれることもありますが、やはり受験生である子ども本人が審査されるものであることには変わりがありません。まだ未就学児のわが子を、お受験に成功するように導くには、親が子育てコーチングの基礎を理解している必要があります。この記事では、お受験にも今後の子育てにも役立つ子育てコーチングについて知っておきたい基礎知識をまとめます。
コーチングは子どもと「横の関係」を築くことが重要
コーチングは子どもに知識を教え込むわけではなく、子どもが自ら必要な知識を習得していく力を身につけられるように導いていくことがゴールです。
親が子どもを導くというと、親の言うことに従わせるという「上下の関係」をイメージしてしまいがちですが、じつは上下の関係のままだと、親の言うことの矛盾に気づき反発心を抱くか、自ら考えずに敷かれたレールにそのまま従ってしまう子どもに育ってしまう可能性があります。「上下の関係」は、立場が上のほうの人間が、下の人間を評価するという構造になるため、子どもの自立心が育たないのです。
コーチングでは、親子は「横の関係」にあることを意識する必要があります。生きてきた年数、知識、立場の違いはあれど、わが子を1人の人格として認め、対等に接していくことによって、子どもの自立心が育っていくのです。
子どもの考えを1人の人間のものとして認めてあげると、子供の自己肯定感が育っていき、自信をもって物事に取り組むことができるようになります。
わが子のことを思うあまり、つい「こうしなさい、ああしなさい」と指示をしてしまいそうになる気持ちを、ときにはぐっと抑えて子どもの考え方を受け止めてあげましょう。
子育てコーチングに役立つ「課題の分離」という考え方
ベストセラーになった「嫌われる勇気」のおかげで、日本人にも心理学者のアドラーの考え方が広く浸透してくるようになりました。アドラー心理学のなかの「課題の分離」という考え方は、子供のコーチングに役立ちます。
お受験を含め、子どもの将来は子どもの課題であり、親の課題でないという分離をすることにより、子どもの自主性を育て、干渉を防ぐことができます。
子どもといくつかの受験候補校をいっしょにまわってみて、本人が通いたいと思う学校をみつけたら、その学校にいくための勉強は、本人の課題であることを伝え、パパママはそれを全力で応援していることを伝えましょう。目は離さず、子どもを信頼し、子どものやることを、じっと見守りましょう。
最後に
お受験の機会に、子どもの個性を見守り導くことができる、子育てコーチングのスキルを身につけ、わが子と末永く良好な関係を築いていければよいですね。