小学校受験は、ペーパーテスト、運動、行動観察、面接などさまざまな観点から子どもの適正がみられます。しかし、とくに女子校などではペーパーテストの配点は高いですし、受験する側としても正誤がはっきりしている分、対策をすれば結果がでるので、取り組みがいがある試験ともいえます。本記事では、小学校受験で主に問われる問題について、分類ごとに概要を解説します。
ペーパーテストの対策方法
ベーパーテストは、多くの問題を定められた時間にこなす能力が求められます。家庭で問題集をするだけではなかなか追いつかないので、幼児教室などでも学ぶことをおすすめします。
後述しますが、ペーパーテストには必ず出題される分類がありますので、各分類の型に子どもが慣れて、反射的に解いていけるようになれば、合格も近づきます。また、解き方だけでなく、決められた時間に集中して問題に取り組む力も養いましょう。
ペーパーテストの問題の分類
ペーパーテストの分野は、幼児教室によって多少呼び名が異なることもありますが、大きく分けると、言語、図形、数量、推理、記憶、常識、話の記憶の7つに分けることができます。すべての分野から少しずつ出題する学校もありますし、一部のみに絞って出題する学校もあります。
ここでは「こぐま会」の問題集も分類にあわせてご紹介します。
言語
簡単な日本語の能力が問われます。たとえば、しりとりや、同じ仲間に属するグループをまとめさせる問題、同頭音語などがこれに含まれます。
4歳児 | 5歳児 | 6歳児 |
---|---|---|
13 お話づくり1 | 01 お話の内容理解1 | 75 文字練習2 |
25 聞き取り練習1(CD付) | 15 お話の内容理解2 | |
27 一音一文字 | 26 聞き取り練習2(CD付) | |
28 同頭音・同尾音 | 48 しりとり1 | |
40 短文づくり | 72 文字練習1 | |
60 ようすことば | 94 しりとり2 | |
77 動きことば | ||
78 昔話 | ||
87 お話づくり2 |
図形
鏡図形や、点をつないで図形を完成させる問題など、丸、三角、四角やその組み合わせの図形の把握や描写についての問題です。
4歳児 | 5歳児 |
---|---|
01 点図形1 | 03 点図形3 |
02 点図形2 | 32 つみ木パズル(応用編) |
06 選択抹消 | 39 線対称 |
11 同図形発見 | 41 魔法の箱 |
18 8個のつみ木 | 45 ゲームブック1 |
19 図形模写 | 47 重ね図形 |
20 形を使った創造画 | 51 重ね点図形 |
31 つみ木パズル(基礎編) | 56 型押し・転がし図形 |
33 等分 | 79 ゲームブック2 |
36 図形分割1 | 81 鏡映像 |
66 線の模写 | 95 絵と模様の構成 |
67 欠所補完 | 96 図形分割2 |
82 ドームつみ木 | 97 図形分割3 |
98 図形構成 | 88 立体と展開図 |
100 逆思考 |
数量
主に数の足し引き、シーソーゲームなどの重さの比較、水の量などについての問題です。
<数・分類>
4歳児 | 5歳児 | 6歳児 |
---|---|---|
05 数の多い少ない | 17 分類計数2 | 71 1~10までの計算 |
10 同数発見 | 35 一対多対応 | 76 文章題 |
11 同図形発見 | 41 魔法の箱 | |
16 分類計数1 | 43 つりあい | |
29 仲間はずれ | 45 ゲームブック1 | |
33 等分 | 46 数の増減 | |
38 数の構成 | 57 方眼を使って | |
65 つみ木の数 | 59 条件迷路 | |
84 仲間あつめ | 62 数のやりとり | |
90 私は誰でしょう | 63 数の複合 | |
68 数あてゲーム | ||
69 たし算の基礎 | ||
70 ひき算の基礎 | ||
79 ゲームブック2 | ||
93 数の総合問題 | ||
99 置き換え | ||
100 逆思考 |
<未測量>
4歳児 | 5歳児 |
---|---|
49 量の系列化 | 08 じゃんけん |
61 量の保存 | 12 シーソー |
34 関係推理 | |
37 逆対応 | |
43 つりあい | |
64 単位の考え方 | |
80 順対応 |
推理・平面図
物体を四方からみた場合の形、てんびんの次の動きを予想させるような問題となります。
4歳児 | 5歳児 |
---|---|
07 迷路 | 08 じゃんけん |
65 つみ木の数 | 09 図形系列 |
12 シーソー | |
34 関係推理 | |
41 魔法の箱 | |
42 回転推理 | |
43 つりあい | |
45 ゲームブック1 | |
47 重ね図形 | |
51 重ね点図形 | |
52 回転図形 | |
56 型押し・転がし図形 | |
59 条件迷路 | |
64 単位の考え方 | |
68 数あてゲーム | |
79 ゲームブック2 | |
89 回転位置移動 | |
99 置き換え | |
100 逆思考 |
記憶
物の形や名前、その順番などの記憶力をテストします。
4歳児 | 5歳児 |
---|---|
25 聞き取り練習1(CD付) | 26 聞き取り練習2(CD付) |
73 具体物の記憶 | 09 図形系列 |
83 3×3方眼上の記憶 |
常識・挨拶
季節の食べ物、行事、あいさつの仕方や食べ方の作法など、家庭での日常生活を問われる問題となります。
4歳児 | 5歳児 |
---|---|
53 常識1 | 81 鏡映像 |
54 理科的常識1 | 85 時の系列 |
55 理科的常識2 | |
74 季節 | |
91 常識2 |
話の記憶
ある程度の長さの話を子どもに聞かせ、あとからその話に関する質問をするなど、話をよく聞いて要点を覚えられるかという能力を問われます。
どの分野が出題されるのか
全国の有名小学校での毎年のペーパーテストの出題傾向では、図形と話の記憶・理解が多く出題されているようです。算数・数学というと、文系のママなどはしり込みをしてしまいますが、解き方にはコツがあるので、そのコツをマスターしてしまえば、案外早く解けるようになるものです。
一概にはいえませんが、話の記憶は、言語の発達が早い女の子のほうが得意な傾向があるかもしれません。
話を長く聞いていられないタイプのお子さんには、早い時期から親が絵本を読み聞かせた後に、「くまちゃんは草原で何を食べたんだっけ?」というように、自然な形で集中して話を聞く力が養われるよう心がけましょう。
受験経験者からの一言
わが家は親子ともに、鏡図形など図形を反転させる問題や、積み木など立体構造の把握が苦手で苦戦しました。一方、言語や話の記憶などは、得意でした。得意分野を褒めてのばしつつ、苦手な分野の問題集を買ってきて、集中的に取り組むなど工夫をしました。
最後に
今回は、小学校のペーパーテストで出題される7つの分野を中心にご紹介しました。学校により出題傾向は異なりますので、過去の問題などを分析し、お子さんの得意分野・苦手分野を把握しながら、対策を進めていきましょう。