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家庭でできる簡単な練習方法もご紹介

制作の課題へむけて、手先の巧緻性を伸ばそう

制作の課題へむけて、手先の巧緻性を伸ばそう

お受験の考査内容のひとつに制作があります。制作では課題の出来栄えや完成度だけではなく、取り組む姿勢、発想のユニークさなど、課題を通して子どもの個性を見られます。また、制作途中に先生(試験官)と会話をすることもあり、コミュニケーション能力も大切です。ここでは、制作を通して見られるポイントや、家庭で簡単にできる制作練習などを解説します。

制作の課題を通して見られるもの

制作ではあらかじめ先生がお手本を見せて、その手順通りにつくるものや、テーマが与えられて、用意された道具・材料を使って子ども一人ひとりが制作を進めるものなどがあります。

制作というと手先の巧緻性だけを見ていると思いがちですが、それ以外に感性、指示理解力、発想力、思考力、コミュニケーション能力も評価されます

楽しく制作をするためには?

では、どのように練習すれば上達するのでしょうか。

それには、制作を好きになることが一番です。手先をイメージ通りに動かし、道具を正しく使えるようになることで、制作の楽しさを感じられるようになるでしょう。つまり、手先の巧緻性の確立が重要なポイントになるのです。具体的には「切る、貼る、折る、塗る、結ぶ、巻く、通す、丸める、包む、ちぎる」といった作業がスムーズにできることによって、制作の課題をこなせるようになるのです。
 
ここで、注意しなければならないことがあります。例えば、ハサミで「切る」という作業について考えてみましょう。

とても上手にハサミで紙を切れる子どもが、糸は切れないということがあります。糸がハサミの刃の間に挟まってしまって切れないのです。このような場合、ハサミの刃に糸をかけ、糸を引っ張ることで上手に切れる、ということを教えてあげる必要があります。

つまり、巧緻性を高めるためにはひとつの素材を使って練習するだけではなく、色々と素材を変えて練習していくことが大切です。

家庭で楽しく工作、お手伝い

運動やしつけと同様、制作は幼児教室に預けていれば自然に上達するわけではありません。
なぜなら、コツや集中力などは教室で学ぶことができても、手先の作業をスムーズに行うためには、毎日の生活のなかで繰り返すことが重要だからです

とはいえ、親が強制すると、子どもは気が乗らなくなります。そこで、巧緻性の上達はふだんの遊びやお手伝いのなかで楽しんでやらせてあげる工夫をしてほしいと思います。その一例を挙げてみましょう。

タコをつくる

A4サイズ程度の紙を用意します。折り紙、新聞紙、ちらしなど、手で切れるものなら何で構いません。
紙の半分程度を、幅2cm程度に手で切り、残った半分のサイズと合わせて完成です。

3~4歳くらいなら、タコやイカに見えるので楽しんでつくってくれます。初めは切る紙の幅を広くとり、慣れてきたら幅を狭くできるか挑戦してみましょう。

こよりの強さ比べ

4~5歳くらいであれば、新聞紙などを手で切って短冊をつくり、その短冊でこよりをつくってみましょう。親も同じようにつくり、完成したら強さ比べです。
こよりをクロスさせ、お互い自分に向けて引っ張り、ちぎれなかった方が勝利!

どのようにこよりをつくったら強くなるのか、例えばギュッとねじった方がよいのか、緩くねじった方がよいのか、複数の短冊でつくるのなら、最初に短冊を重ねた方が強いのかなど、工夫できるところがたくさんあるので、親子で楽しく遊びながら訓練できます。

ビーズでネックレスづくり

ビーズに糸を通してネックレスやブレスレットをつくってみましょう。初めのうちは先の尖っていない針に糸をつけてビーズに通すと作業しやすいと思います。

ネックレスをつくるのか、ブレスレットをつくるのかによって必要な糸の長さも変わってくるので、長さの間隔をつかむよい訓練にもなります

ビーズは色々な形、色、大きさのものを用意してあげると飽きずに続けられます。もしビーズが手に入らなければ、切ったストローを使ってもよいでしょう。

新聞紙でボールづくり

新聞紙をA4かB4サイズに手で切り、それを丸めてボールをつくりましょう。丸めるだけでもよいのですが、慣れてきたらセロハンテープでとめ、よりボールらしくしてみましょう。完成したら投げあって遊んでみてください。新聞紙でできているため軽く柔らかいので家の中で遊んでも問題ないですし、当たっても痛くないので安全です。制作だけでなく、ボール投げ、ボールキャッチのよい練習になります

折り紙を切り抜いて遊ぶ

折り紙を適当に折り、切って広げるとさまざまな切り抜きができます。折り方、切り方によって模様が変わるので飽きることなく楽しめます。折り紙をたくさん折ると折らない場合と比べて切りにくくなるので、そのような体験も子どもにとっては意味があります。

慣れてきたら、雪の結晶など意味のある模様にチャレンジしてみてください。つくり方はインターネット上にたくさん載っています。

クリップと磁石を使った魚釣り遊び

魚を書いた紙を用意し、それをハサミで切り抜きます。切り抜いた魚の適当な部分に金属製のクリップを付けます。竿は割り箸や適当な棒に、磁石をつけたちょっと太めの糸(タコ糸、毛糸など)をくくりつければオッケーです。余裕があれば魚に色づけをしたり、ちぎった色とりどりの紙を張りつけて、鱗のようにしたりしても面白いかもしれません。

洗濯物の片づけ

角ハンガーに干してある洗濯物を取り込んだ後に、洗濯バサミから洗濯物を外すのを手伝ってもらいましょう。洗濯バサミをつまむには、指のピンチ力や微妙な力の入れ具合の調整が必要になるので、結構子どもにとっては難しいですが、よい訓練になります。余裕があれば洗濯物を畳むことも教えてみましょう。

料理の手伝い

料理の手伝いをするのも手先のよい訓練になります。包丁を使わなくても、手だけを使ってできるお手伝いもたくさんあります。例えば、たまねぎの皮むき、ピーラーを使って人参の皮むき、豆苗をハサミで切る、ゆで卵の殻むき、豆腐をパックからスプーンですくう、などです。

巧緻性をさらに伸ばすために

素材だけではなく、使う道具に関しても色々なものを使わせてみましょう。例えば、のりに関してはスティックタイプ、液体状、デンプン状などさまざまなものがあります。受験本番でどのような種類が出されても使いこなせるようにしておきたいですね。切ることに関しても、ハサミを使うだけでなく、定規で切る、折り目をつけて切るなど、切り方のバリエーションを増やしておきましょう。

また、工作に限らないのですが、作業用の机を用意することをおすすめします。作業用の机があれば、食事の時間などで作業を中断しなければならないときでも、作りかけの工作物を片づける必要がないので、親の負担が減ります。もちろん、片づけや整理しながら制作することは大事です。

まとめ

制作の課題ができるようになるためには、手先の巧緻性の向上が必要です。巧緻性を伸ばすために家庭でできることはたくさんあります。ここで挙げた例を参考に、色々とアレンジしてお子さんの制作練習に役立ててくださいね。