小学校1年生で習う算数の難関のひとつが繰り上がりのある足し算です。それまでは手の指を使ってなんとか計算できていた子どもも、指折りで数えられなくなるためつまずくことが多いようです。本記事では、繰り上がりのある足し算の教え方について書いてみようと思います。
わが家の早期教育の成果
3歳4か月と5歳11か月の子供を持つカルロスです。勉強ができれば子どもの将来の選択肢が広がるという考えのもと、いわゆる早期教育に妻と二人三脚で取り組んできました。少しずつ効果が出てきていて、現在2人の子どもは以下のレベルまでできるようになっています。
長男(5歳)
算数:小学校6年生までの算数はひと通り終わっており、今は復習および習熟段階。
国語:6年生の漢字の読みができ、2年生の漢字まで書くことができます。
英語:ディズニー映画を字幕なしで読むことができます。
長女(3歳)
算数:繰り上がりのある足し算ができます。
国語:ひらがなの読み書きができます。
英語:アルファベットの読み書きができ、簡単な単語なら言えます。
繰り上がりでつまずかないためには?
繰り上がりの足し算でつまずかないようにするためには、数を「数量」として理解していることが重要になります。これは足し算に入る前に習っている内容で、下記の記事に詳しく説明しています。
まずは、文部科学省の指導要領(P.87)に記されている繰り上がりのある足し算について引用します。
和が10より大きい数になる加法及びその逆の減法は、「10 とあと幾つ」という数の見方や計算の意味に着目し,数を分解して足したり, 引いたりすることで,既習の計算が使えるようになる。
加法の場合には様々な計算の仕方が考えられる。その主なものとしては,加数を分解する場合と被加数を分解する場合がある。
例えば,8+7の場合,加数の7を分けて(8+2)+5としたり,被加数の8を分けて5+(3+7)としたりして,数を分解して加えて10をつくり、10と5で15と計算する。
7を2と5に分ける。8に2を足して10になる。この10と5で15になる。
(学習指導要領より抜粋)
算数の教科書は当然この指導要領に沿った教え方になっていますし、ネットを見てもこの教え方になっています。私も分かりやすい教え方だと思います。
これをスムーズに理解するためには、「数字と○の個数の対応がきちんとわかっていること」が前提となります。この点を理解していないと上の説明はわかりません。
わが家でも、数字と○の個数の対応がきちんとできているかどうかは、しつこくチェックしました。そのやり方については前述の紹介記事内に詳しく書いています。
この概念は、算数を初めて習う子どもにとっては本当に難しいです。数字が読めること、数字の順番(大小)がわかっていることが前提となって、初めて「数字」と「○の個数」を対応づけることができるのです。
もし、子どもの理解が悪いなと思ったら、さらに前に戻って数の概念をきちんと理解しているか確認することをおすすめします。
おすすめの教え方
ここでは、私がおすすめする繰り上がりの足し算の方法について解説したいと思います。もちろん、学習指導要領と基本的に考え方は同じですので、安心してください。
学習指導要領との違いは○の並べ方です。
学習指導要領では○10個を横一列に並べていますが、○は5個までしか並べずに、6個目からは別の行に移ります。
なぜこのような並べ方をするかというと、5個並べたら改行するほうが個数を把握しやすいからです。
「6、7、8」という数を○の数で把握するとき、横一列に並べられているよりも、2行目に移っている方が数えやすいと感じませんか?
算数を習い始めたばかりの子どもにとっては、数が大きくなるほど把握が難しくなります。例えば、繰り上がりのない足し算でも「4+3」や「7+2」といった問題は、苦手意識を持つ子どもが多いです。ですが、5ずつ並べれば、視覚的にわかりやすくなります。
しかも、「4+3」の足し算は、非常にやさしい繰り上がりのある足し算の練習にもなっています。つまり、
- 3を1と2に分け
- 4と1を足して5にし、
- 残りを2行目に持っていく
すると、合計は7になるという考え方ができます。
同じような考え方で「9+3」のような繰り上がりのある足し算も可能です。
9に1を足して10にするところは、4に1を足して5にするところと全く同じですよね。
数のまとまりを10ずつではなく、5にすることによって、視覚的な理解がかなり容易になることがおわかりになるかと思います。
また、学習指導要領の教え方の場合、5以下の数と5以上の足し算の場合、例えば「3+8」とした場合、式に書かれた通り「8」を「7と1」に分解して、「3」と合わせて「10」にすることになります。しかし、「3」を「1と2」に分解して「8」と合わせて「10」にするほうが数が小さいので簡単です。
10をひとまとまりにしていると5よりも大きい数を分解しようとして計算ミスをする場合があるのですが、私のやり方のように5ずつ並べることで計算ミスを減らすことができます。
もし、繰り上がりのある足し算でつまずいているようでしたら、こちらの方法を試してみてはいかがでしょうか。